掲示板(10月)

2020年10月26日


勿体なや 祖師は紙衣の九十年 (句仏上人)

 これは俳人として有名な西本願寺の句仏(くぶつ)上人といわれた方のうたです。

報恩講に当たりしみじみと親鸞聖人のご苦労が偲ばれます。

紙衣とは紙子ともいい、和紙に柿渋を塗り揉み柔らげて衣にしたものです。

足には草鞋(わらじ)を履き、紙衣の衣で90年を過ごされたのです。

親鸞聖人が35歳の時に、奈良や比叡山の聖道門仏教の上訴により法然上人の吉水の教団が取りつぶされ、法然上人は土佐に、親鸞聖人は越後に流罪となりました。

罪が許されて後42歳から63歳まで常陸(ひたち)の国(茨城県)を中心に20年間、紙衣の衣に草鞋履きでお念仏の教えを説いてくださったのです。

親鸞聖人には「石を枕に雪をしとねに」ということばがあります。

雪の降りしきる夜、日野左エ門という金貸に一夜の宿を請いますが断られ、屋根の下に石を枕に雪を布団にして一夜を過ごされたといわれます。

枕石寺としてご旧跡が残っています。 (老僧)

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